accesskeyについてです。IEやFirefoxなどの視覚系ブラウザでは、あまり使う人がいませんが、Altボタンとメニューバーの「ファイル(F)」のカッコの中の文字とファイルメニューが出てくるという優れもの。キーボードショートカットを使う人なら知っていることでしょう。(Macintosh環境ではコントロールボタンのようです)
これをブラウザの閲覧画面でも使うことができます。a要素にaccesskey属性として値にアルファベッドを入れるて完成です。
例) <a href="filename.html" accesskey="c">hogehoge</a>
これで、Win版のIEだと[Alt+C]でhogehogeというテキストにリンクのフォーカスがあたります。話の前提はここまでで、ここからが本題です。
6/47。この数字分かりますか?47都道府県中accesskey属性を指定している自治体のサイトの数です。わずか6。どうして付けた、付けてないかは定かではありませんが、これはちょっと悲惨な数字。そこで今日はaccesskeyについて調べてみました。
JIS X8341-3ではどう記述されているのかというと、
[5.3a]マウスを使わないでコンテンツにアクセスできるようにする
に該当します。しかし、JISがそう言っているので、それに従うだけでいいのかというと、そうでもないのではないかと考えます。
フォームにaccesskeyを設定しようと思ったが...(Studio md)
で書いているように、ブラウザとのショートカットキーとカブる場合もあります(エントリーの真ん中辺り)。さらに、「Sleipnir」を代表するIEコンポーネント式のタブブラウザでは主要ブラウザの倍近くのショートカットキーが割り当てられています。
もし、IEでブラウザのショートカットキーと、HTMLで書いたaccesskeyがカブっていると、ブラウザ側が優先され、ショートカットメニューが出てきます。
さらに、accesskeyが各自治体でどのように使われているのをみていったところ、次のような状況です。
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表でみると、とてもわかりやすいのですが、どの自治体も配置バラバラです。もし、障碍者(しょうがいしゃ)が必要ならば、障碍者はこれらすべての配列を覚えなくてはなりません。accesskeyを使うことでユーザビリティを落としかねない状況になってきます。
このように考えてくると、accesskey属性が本当は必要ないものではないかとも思えてきます。だってサイトでいちいち使い方を覚えるなんてことは、普通に嫌ですからね。明らかにユーザビリティを下げています。
これが一つのサイトならまだ許せるでしょう。しかし、星の数だけあるサイトにこれを割り当てるとすると、あまりにも現実離れしています。残念ながらJISではここまで規定されていません。
JISがそこまで定義できなかったのか、それとも、自治体がそこまで配慮できていなかったからこのようになってしまったのかは定かではありませんが、今の状態では解決は難しそうな問題です。
※ちなみに、W3CのWCAG 2.0の草稿版(?)ではこのようになっています。
Editorial Note: The Protocols and Formats working group has suggested that the accesskey attribute needs to be re-engineered. Threads discussing this are at AccessKey Behavior based on media and Accesskey again.
強調した部分を訳すと、「accesskey属性は改良する必要がある」とのこと。どのようになるかは疑問なところです。